暗闇のエレベーターの中で
引っ越した先は8階建てのマンションだ。
築10年で家賃は7万五千円。独り身の俺には充分である。
なるべく高いところに住みたい願望があって、念願の8階に住むことが出来た。
けれども、周りにはもっと高い建物が多いため、見晴らしがいいとは言えなかった。
まあ、この家賃では仕方あるまい。
建物もお世辞にも綺麗とはいえなかった。
特に、エレベーターなどひどいもので、いつか停まるだろうと思うほど揺れるのだった。
出世したら、もっといいマンションに住んでやる。
いつも自分に言い聞かせながら、毎日を働いているのだ。
今夜も残業で遅くなった。そのあと、同僚と軽く飲んで帰ったから、マンションにたどり
着いたのは0時近かった。
エレベーターのボタンを押す。
背後に気配を感じたので、ちらりと振り向くと、そこには自分と同じくらい年齢、
そう25歳くらいの女性が立っていた。
このマンションの住居人だろうが、見覚えはなかった。
彼女から軽く頭を下げて会釈するものだから、俺も釣られて頭を下げた。
綺麗な人だった。髪の毛などサラサラで、スーツ姿も様になっていた。
こんな時間まで仕事していたのだろうか。
OL? それとも、何か特殊な?
エレベーターが到着したので、二人で乗り込んだ。
密室に美女と二人きりか……。
酔っているせいなのか、いらぬ妄想を抱きそうになる。
相変わらずの薄暗い灯が、煩悩に火つける。
いかん、いかん。こんなところでセクハラ騒ぎでも起こそうなら、このマンションに
いられなくなってしまうではないか。
まだ引っ越したばかりで、お金なんてないのだ。
「何階ですか?」と彼女が訊いて来た。
「あ。8階をお願いします」
彼女が8階と6階のボタンを押す。そうか、6階に住んでいるのか……。
ガクンと大きく揺れてから、エレベーターが上り始めた。
二人とも、回数表示のランプを見上げている。
俺は、チラリチラリと彼女の後ろ姿を観察した。
ほっそりとした体系で、すらりと脚が伸びている。
こんな女性が恋人になってくれたらなと思う。恋人じゃなくてもガールフレンドでも申し分ない。
それだけで、今の憂鬱な毎日から解放してくれそうだ。
その時だ。
ドカンと大きな揺れの後、エレベーターが停まってしまったのである。
一体何が起きたのだ?
彼女は、慌てた様子で、あらゆるボタンを押しまくったのだが、何の反応もなかった。
そして、灯が点滅を始めて、ついには消えてしまったのだ。
「きゃあ!」
彼女は悲鳴をあげた。
そして、俺に抱きついてきたのだった。
か細い身体は、子犬のように震えている。
「私、だめなんです。暗いのも狭いのも……」
「だ、大丈夫ですよ。俺がついています」と意味のないことを言ってしまった。
俺に何が出来るのだ? ボタンを押したが何の反応もなかった。
突然、何者かが俺の股間を握りだした。
何者って? 彼女しかいないじゃないか!
「ごめんなさい。こうしないと落ち着けないんです。許してください」
「え? ええ?」
なにかトラウマでもあるのか、誰かに催眠術でも掛けられたままなのか?
真っ暗になると、男のチンコを握ってしまうようだ。
「大丈夫、大丈夫ですよ」
そう言いながら、俺は彼女の肩を優しく抱いた。
役得ってやつか!? しばらく停まってろ、エレベーターめ!
チンコを握る手が、つよく、よわく、つよく……と。
あぁぁ。 もう完全に勃起しちゃったよ。
しかも、今度はチャックまで下ろされて、チンコを引っ張り出されちゃった。
「ごめんなさい。こうしないと私、だめなんです」
「だ、だ、だいじょうぶです。それで落ち着けるなら……」
彼女の指先が、亀頭部分の敏感なところをマッサージしてくる。
ああぁぁ。今度は裏筋まで引っかくようにコリコリと……。
優しく抱いていた俺の両手は、無意識のうちに下がっていく。
彼女のプリンとしたおしりをニギニギと揉んじゃったのだ。
「ああぁぁ。ちょっと落ちついてきました」
「そうですか。それはよかった」
そのとき、再び大きく揺れたのだ。
そのショックで、膝まづいてしまい、「きゃあ!」と叫んだ後、俺のチンコを咥え込んで
しまったのだ。
「大丈夫。それで落ち着けるなら、どうぞしゃぶってください」
「すみません……」
ああぁぁ、 なんて気持ちいいんだ。
彼女の舌が、亀頭をぐるぐるとにとわりついてくる。
次第に、深く、浅く、深く……。
自力で立っていられなくなり、壁にもたれかかってしまう。
快感に溺れて、膝が震えてしまっている。
ああぁぁ、もう出そうだ。
出しちゃっていいのかな?
彼女の口の中を汚してしまってもいいのだろうか?
「あの、あの……出ちゃいそうなんです」
彼女は口を止めなかった。
「いいんですか? このまま出しちゃっても?」
止めるどころかスピードをさらに上げだした。
いいんですね、出しますよ……これは言葉には出なかったが決意はした。
放出した。
久しぶりだったから、大量のザーメンが溢れ出したはずだ。
そのとき、灯がともり、エレベーターが動き出したのだった。
明るくなると、彼女はすぐに立ち上がり、冷静を保ちはじめた。
6階に到着すると、俺に一礼して「ありがとう」と言って、出て行ってしまった。
そのとき見た彼女の口元には、俺のザーメンがトロリと流れていて、しかもそれを
ぺロリと舌なめずりしたのだった。
なんという艶やかな表情なのだろう。
俺はズボンから、チンコを出したまま呆然とするばかりであった。
翌日、エレバーターの業者が来て、点検修理を行っていた。
それからというもの、エレベーターは快調に動いている。
彼女とは、なかなか会う機会がない。
ひょっとしたら避けられているか、もしくはもう引っ越してしまうかもしれないと思った。
非常に残念だ。
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