夏希 第一話

スチュワーデスでコスプレ



   緑川夏希が結婚してすでに一年が過ぎていた。

   夫の正之は、いまだに毎晩求めてくる。

   しかも、夫はコスプレ好きで、夏希にいろんな制服を着させる。

   夏希もいやではなかった。

   コスプレは自分自身を忘れさせてくれるから。

   なにかも忘れて快感だけに没頭できるのがうれしい。

   今夜の私はスチュワーデスです。

   元モデルの私はスタイルには自信があるの。

   お芝居の経験もあるから、イメージプレイにぴったりの女よ。



   「あ、君。何か飲み物でも持って来てくれ。そうだな、ワインがいい。赤を頼む」

   夫は相変わらず大根役者だけど、気分は乗ってるようですね。

   私は注文どおり、赤ワインのボトルとグラスを持ってきました。

   グラスに注ぐと、自ら口に含みました。

   夫の膝に跨って座り、彼を見下ろして微笑みます。

   そして、ゆっくり唇を開いていくと、赤ワインは糸のように落ちていきます。

   夫ったら、口を開いて必死にワインを飲んでいます。なんてかわいいのかしら。

   おかわりを要求されたので、再び赤ワインを口に含みます。

   今度はいたずらして、わざと口から外れるように落としてあげました。

   赤ワインで染まった夫の顔は、なんてセクシーなのでしょう。

   ペロペロペロ……。顔中舐めてあげました。

   夫ったら、今度は舌を伸ばして、私の舌を求めてきました。

   そう簡単にはつかまりませんよ。でも、あまり冷たくしてもなんだから……。

   二つの舌が絡み合いました。

   軟体動物が二匹、交尾しているかのようです。

   夫、ついに私の胸に手を入れてきました。

   「ああぁ。だめですぅ。お客さま」

   「いいではないか。ここは個室の客室だ。誰も見てはいないよ」

   夫の手が、ついに乳首にたどり着き、絶妙な加減でつまみ上げたのです。

   「はあぁぁ。お客さまぁ〜。おやめください」

   私はじらすつもりで立ち上がりました。

   「もう我慢はできないんだ」

   夫は、スカートに手を掛けて、一気に下ろしてしまった。

   そして、私の股間に顔をうずめました。そして、くんくん、するんです。

   「なんていい匂いなのだ。すばらしいよ」

   ショーツも下ろされちゃった。そして自分の下半身も丸出しにしたんです。

   夫の股間からタケノコがひょっこり生えています。

   しかも、ムクムクと大きくなっていくんです。

   私、踏んづけてやりました。グリグリグリと……ね。

   「おおぉ。何をするんです!」

   「お客さまが悪いんですよ。ほら? どうかしら」

   「おおぉ。すばらしいよ。もっとグリグリ踏んづけてください」

   「ほらぁ、ほらぁ、どうなのよ?」

   「おおぉ、すばらしい!」

   私も興奮が押さえられずに、腰を下ろしたのです。

   「ああぁ。お客さまのおちんちんが私の中に〜ぃ!」

   「何事かね?」

   「乱気流でございます。しばらく揺れますのでご注意ください」

   思いっきり腰を振りました。最高のエクスタシーが襲います。

   「ああぁ、いい。いいの。お客さまのおちんちん、最高でございます」

   「そうかぁ。君のおまんこも最高だ。すごい締め付けだよ」

   「安全のため、締めております。あぁあぁぁん……」

   「おおぁ。揺れる、揺れるぞ」

   夫も力の限り腰を使うものですから、私もすごく揺れちゃって……。

   三半規管が狂いだし、快感が体中を駆け回りました。

   この後、ベッドの上で二回戦目突入です。



   夏希は結婚前から正之の性癖は理解していたのである。

   拒むどころか、結婚相手は彼しかいないとさえ思えた。

   元モデルであった夏希は、やはりすごくもてた時期があった。

   それでも、ことセックスにおいては、ずいぶん臆病だったのだ。

   夏希は、高校生のときに初体験して、その時に妊娠してしまったのである。

   田舎の高校で、それはもう、大事件になってしまった。

   そして、周りの人たちを散々傷つけることとなったのだ。

   結局、中絶手術を行い、その後逃げるように上京したのだった。

   夏希にとって、セックスは 「悪」 のイメージしかない。

   それは今もかわらなかった。

   けれども、コスプレで行うセックスだけは別物だった。

   なぜなら、別人になりきることが出来るからである。

   正之に抱かれている自分は夏希でない……。

   一夜限りの作られた人格なのだ。

   これが私の生きる道。

   でも、正之のことを本当に愛しているかといえば、それはNOかもしれない。





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