春華 第一話
愛する人を思い動く指先
カーテンの隙間からこぼれる朝日に気づいた。
目覚まし時計が鳴る少し前に目覚めると気分がいいものである。
高校生の青山春華はベッドの上でまどろみながら幸福感を味わっていた。
夢の中で、洋平さんに抱きしめられたのだから、ちょっと身体が興奮してる。
右手が勝手にパジャマのズボンを押しのけ、濡れた秘肉を触りだしちゃった。
秘肉の肉汁を使って指先を濡らし、もっとも敏感な肉芽を摘むの。
「ああぁ……」
思わず声が出ちゃった。
でも、すごく気持ちいいの。
人差し指と中指で肉芽を挟んで、くるくる回してみる。
「んんん……んぁぁぁ……」
うつぶせになって身体を揺らすと、乳房がシーツに押さえつけられ、まるで洋平さんに揉
まれているみたい……。
やだぁ、あたしったら。なんてスケベなんだろう。
でもやめられないの。
イっちゃうまでわね。
お尻を浮かして、右手を使いやすくして、秘肉の奥のまで指を差し込んじゃう。そして、
一番感じる肉襞を探索する。
ああぁ、ここ。見つけた。
コリコリ、コリコリ……指先が勝手に騒ぎ出す。
「ああぁぁ……洋平さん……」
果てた春華は、しばらくベッドの上にいたが、もう準備しないと遅刻してしまう。
気がつけば、シーツがしっとりと濡れてしまっている。
学校から帰ったら洗濯しなくてはいけないと思いながら、春華は自分の部屋を出た。
洗面所で身支度を整え、キッチンへ向かった。
「おはよ〜パパ」
「おはよう、春華さん。ちょっと遅くないかい?」
「え? まあ、その。ベッドが気持ちよかったから」
「急ぎなさい。遅刻するよ」
青山春華は、父と二人暮らしである。
春華の父はフランス料理のシェフをしているから、料理は得意である。
朝食とお弁当は、春華の毎日のお楽しみだ。
夜だけは父は仕事のため、自分で作るか買って食べている。
実はこの父は、春華にとって三人目の父なのだ。
一人目の血のつながった父は顔を思い出せない。
暴力的な男で、殴られた記憶しかないのだ。
二人目の父も忘れたいのに、悪夢としてよみがえってくる。
最悪の父親で、春華に対して性的虐待を繰り返したのだ。
朝起きると、膨張したペニスをしゃぶらせるのが日課であった。
春華が中学に上がると、「もう大人だな」と言って、力づくで股を開かせると、容赦なく
挿入してきたのだ。
あの下衆な笑みが頭から離れることはない。
ただ、大人しくしたがっていれば、殴られることはなく、命の危険は感じなかったので、
ひたすら我慢していたのだ。
母はそのことを見てみぬふりをしていた。
もっとも憎むべき相手は、実の母であったのだ。
三人目の父が現れたとき、春華は今度はどんな地獄が待っているのかと、不安で仕方が
なかった。
ところが、三番目の父はとても優しかった。
実の娘として、大切に扱ってくれた。
頭を撫でてくれることはあっても、性器に触れることなどしなかった。
なにより、笑顔がとても素敵だったし、おいしい料理が今までの悪夢を打ち消して
くれたのだ。
いっしょに暮らしてもう三年。
三番目の父の名は、青山洋平。
春華が今、片思いを抱いている相手である。
今は二人暮らし。
母はもうこの世にいない。
一番目の父も二番目の父も、もうこの世にはいないのだ。
春華は今、生まれて初めての幸せを感じている。
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