冬美 第二話
満員電車は痴漢でいっぱい
冬美は電車通勤をしている。
自転車で行けない距離ではない。
実際、以前は三十分かけて自転車で通っていたのだ。
ところが、もうそんな体力はなく、一歩一歩おばさんに近づいているようだ。
しかし、電車というのもラッシュ時にぶつかるものだから、酷い混雑で疲れてしまう。
最近、運動不足だから、また自転車で通おうかと、そんなことを考えて今電車に乗って
いるのだけど……。
踏み切り事故があったらしく、ダイヤが乱れ、車内はいつもより混雑していた。
少しでも落ち着けるポジションを獲得しようと、壁際付近を狙ったのだけれど、
いつの間にか中央へ押し込まれていた。
この展開は最悪だった。
かなりの確率で痴漢に遭うのだ。
電車が揺れると、体勢が崩れて、他人の身体に密着してしまう。
自慢のバストを、前にいる男性の人の胸に押し付けてしまったのだ。
「す、すみません」
「い、いえ……」
離れようとしても、背後からの押し付ける力に対抗できず、いつまでもバストが
押し付けられたままになっちゃった。
ああ、困っちゃう……。
前の男性も、平静を保つためにか、視線は上向きです。
けれどもね、この人、もう興奮しちゃってるんですよ。
だって、私の太股に、固くなったアレが当たってるんですもの。
これって 「朝立ち」 って言うのかしら?
困ってしまうのだけれど、これは不可抗力で痴漢じゃないから、何も言えません。
どちらかといえば、私のほうから、当たってるんだもの。
逆に、私が痴漢してるみたいです。
電車の振動で身体が小刻みに揺れると、バストが程よく揉まれてしまって、
心地よくって……。
太股だって動いちゃうから、前の男性のアレ、刺激しちゃってるはずです。
だって、さっきより、膨らみが大きくなってるんですもの。
次の駅に停車すると、さらに乗客が増えました。
あああ……さらに密着度が増します。
興奮しちゃう私って、どうかしてるのかしら。
だって、背後から私のお尻に誰かの手が当たってるんですよ。
これも不可抗力?
あれ?
でも、この手、もそもそ動いてる。
撫で回したかと思うと、今度は割れ目にそって、指先を上下させています。
痴漢です。許せないわ。
でも、声を出す勇気はありません。
私は、自らの手で、お尻を触る手を制しようとしました。
けれども、痴漢の手は強引に撥ね退けて、さらに触ってきました。
頭にきました。
こうなったら戦います。
お尻を触りたければ、どうぞお好きになさい。
けれども、私だって触らせてもらいますよ。
私は手を伸ばし、背後の男の股間を探り当てた。
案の定、大きくなってるわね。
私が触ったとたん、背後の男の手が、一瞬止まったの。
うふふ。 かなり動揺してるわね。
でも、これくらいでは許さないわよ。
私は、膨らんだ股間を、ニギニギしてやった。
強く、弱く、強く、弱く……この緩急攻撃はどうかしら。
あら? もうカチカチじゃないの。
ポールの形状がズボンの上からでもはっきりわかるほどの硬度です。
私は、上下に摩った。
特に上のほう、亀頭部分では、きゅっと強く握ってあげる。
「はぅ!」
背後で妙な声が聞こえた。
耐え切れず、声を出しちゃったのね。
一瞬だけど、周囲の目が、背後の男に集中した。
背後の男は、私のお尻に伸ばしていた手を引っ込めた。
もう降参ですか?
でも、私は許しませんからね。
私の、股間攻撃は、続行中である。
さらに強く、そして速く……。
ズボンの中のポールが、ビクビクビクと大きなうねりをあげた。
あら、意外と早くイっちゃったのね。
きっとパンツの中は、精液でどろどろでしょう。お気の毒さま。
私が手を放すと、なんと今度は前にいた男性が、手を掴んで自分の股間に
導いてきたの。
ええ? ひょっとして、見てたのかしら?
目が合ってしまった。
ああぁ。目が合うと、私はだめな人間です。
でも、その人は、急に視線を落とし、私のバストばかりを見はじめるの。
ちょっと落ち着く私。
この手で刺激して欲しいのね。 してあげるわ。
私は、前の男性の股間もニギニギしてあげました。
でも、もう降りる駅に到着してしまいました。
ごめんなさいね、最後までしてあげられなくて……。
駅で降りた私は、さすがに自己嫌悪に陥ってしまいました。
やりすぎですよね。
私の行為に気づいた人がいないかと心配になりました。
でも、私も興奮しちゃった。
アソコ、少しばかり、しっとりとしています。
学校に到着すると、気分を立て直して、今日も一日がんばらなきゃ。
職員室に着くと、隣の席の原田和也先生がいませんでした。
いつもは、私より早く来ているのにどうしたのだろう。
しばらくして、原田先生も現れました。
「はぁ。遅刻せずにすみましたよ。電車が遅れましてね」
「あ、私と同じ電車ですよね。踏切事故のせいでしょ?」
「え? ええ。そうなんですよ」
ふと目が、原田先生の股間にいってしまったの。
なんか、染みみたいのがついていたんです。
まさか、まさかとは思うけれど、あの背後の人が原田先生ってことはないですよね。
ありえない。
原田先生は生徒の信頼も厚い、いい先生なのに。
まあ、私の胸を、異常なまでに熱く見つけることはあるけれど……。
思い過ごしですよね。
だって、いつもにこやかに微笑んでいて、眉の間にほくろがあることから、
仏さま先生ってあだ名もあるくらいなんですから。
そう、私の思い過ごしです。
でも、明日からは自転車で通おうかなと思い始めました。
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